公募研究について
数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解
領域略称名 | : | 数理シグナル |
領域番号 | : | 4804 |
設定期間 | : | 平成28年度〜平成32年度 |
領域代表者 | : | 武川 睦寛 |
所属機関 | : | 東京大学医科学研究所 |
生命活動の基盤となる生体内のシグナル伝達は、多数の分子や要因が関与する複雑な高次非線形反応であり、この多様かつ動的な反応様式こそが生命機能制御の根源的メカニズムであることが明らかにされてきた。シグナル伝達に関する膨大な情報を統合し、細胞や人体をシステムとして理解するには、従来の分子生物学的アプローチに加えて、数理科学的解析手法を導入する必要がある。本研究領域では、数理科学、分子細胞生物学、構造生物学、オミクス解析など、異分野の研究者が有機的に連携し、シグナル伝達ネットワークと生命機能の制御機構、及びその破綻がもたらす疾患発症機構を統合的に解明する。また、実験と理論を融合させることにより、細胞応答を高精度に予測し、生命機能調節や疾患治療の鍵となる重要分子を抽出する新たな生命動態解析技術・理論を確立する。
研究項目A01では、分子生物学的手法や構造生物学的手法を用いたシグナル伝達研究、A02では、生命現象の理解と予測を目標とする新たな数理解析技術・理論の開発や、数理科学的手法を用いた生命動態研究、A03では、未知のシグナル伝達経路や分子を同定するオミクス(遺伝子、蛋白質、翻訳後修飾、代謝物、相互作用など)解析や、シグナル伝達に摂動を与え、その時空間動態を捉えるケミカルバイオロジー、分子イメージング法などの技術開発とその応用研究を対象とする。
計画研究ではMAPK、NF-κB、AKT経路を中心に研究を進めるが、公募研究ではこれらに限らず、多彩なシグナル伝達経路の研究を対象とする。公募研究においては、単年度あたり500万円を上限とする実験系研究、300万円を上限とする萌芽的・挑戦的研究、また、150万円を上限とする数理理論のみを扱う研究を募集する。数理科学と生命科学の融合を目指す本研究領域の趣旨に沿う研究提案を期待する。また、若手や女性研究者からの挑戦的な提案を歓迎する。
研究項目 | 応募上限額(単年度) / 採択目安件数 |
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A01 | 数理解析を目指した分子生物学的シグナル伝達研究 | 実験系:500万円/10件 実験系:300万円/9件 理論系:150万円/3件 |
A02 | 数理モデル構築とシミュレーションによる生命機能制御機構の理解と予測 | |
A03 | 生体内シグナル伝達解析・定量化技術の開発 |