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数理シグナル 第一回・若手ワークショップ開催レポート
〜若手企画による交流と研究発展のための発表合宿〜

日時:平成29年8月6日(日)〜8月8日(火)
場所:静岡県伊豆市大平「ラフォーレ修善寺」
運営委員長 A01: 久保田 裕二(武川班)
運営委員(敬称略)
A01 : 田口 祐(井上班)、後藤 英治(徳永班)
A02 : Dhisa Minerva(鈴木班)、湯通堂 紀子(久保田班)
A03 : 高橋 宏隆(澤崎班)


会場となった静岡県伊豆・ラフォーレ修善寺 研修センター

去る平成29年8月6日〜8日、当領域の柱の一つである「若手研究者の育成」を促進すべく、静岡県の伊豆にある「ラフォーレ修善寺」にて、第1回・数理シグナル若手ワークショップが合宿形式で開催されました。本ワークショップは当領域の計画班に所属する若手研究者6名が運営委員となり、開催地の決定からプログラム作成、招待講演等の企画および運営を行いました。会場となったラフォーレ修善寺は、野生のシカが生息する緑豊かな森林に囲まれ、風光明媚で静かな場所です。


領域代表の武川睦寛先生による開会挨拶

本ワークショップでは、各班から参加した若手研究者(計34名)全員が口頭発表を行いました。どの研究も非常に斬新でインパクトの高い内容であり、質疑応答が時間内で収まらないため休憩時間に引き続きディスカッションが行われるなど、会場は大変活気に満ちておりました。


若手研究者による計34題の口頭発表が三日間に渡って行われました


発表会場の様子。発表後には活発な質疑応答が行われました


岡田眞里子先生による
特別講演が開催されました

若手発表に加え、本ワークショップでは領域外のトップ研究者による「特別講演」が行われました。今回、数理生物学の第一人者である大阪大学蛋白室研究所の岡田眞里子先生をお招きし、「シグナル伝達の数理モデル化と細胞変換」という当領域に相応しい演題にてお話を頂く事ができました。講演では、遺伝子発現パターンにより制御される生命現象を対象とした数理学的研究法や、システム生物学分野の最新トピックスを大変分かりやすくご解説頂き、若手参加者はみな深い感銘を受けておりました。当領域の今後の発展を大いに刺激する、大変有意義な時間であったと思います。お忙しい中、岡田先生にはご講演を快くお引き受け頂きましたことを、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

また、当領域計画班の鈴木貴先生、尾山大明先生より、ご専門分野の基盤的知識・技術と応用についてご解説頂く「テクニカルレクチャー」が行われました。尾山先生には「分析科学と情報科学の融合が生み出すプロテオミクス研究の新展開」というタイトルにてご講演を頂きました。高感度質量分析装置を用いた細胞内蛋白質リン酸化の精密かつ包括的な計測により、細胞内情報伝達のダイナミクスを定量的に解析する最新の技術についてご紹介頂きました。また、大規模データから生物学的意義を見出すためのネットワーク解析の実例をご発表頂き、疾患の作動原理解明のためのプロテオミクスの威力と今後の発展について議論されました。鈴木先生には「数理モデルを用いた細胞生物学研究の現況」という演題にてご講演を頂きました。数理学的研究法の導入および応用のための具体的な方策や、当領域で実施中である共同研究の最新データのご解説に加え、数理生物学の現況と未来、そして若手研究者へのアドバイスも含めたお話を頂きました。鈴木先生のご講演を通じ、数学があらゆる分野において新たな発想を惹起させ、更なる深化を導くための鍵となることを強く感じました。若手参加者に重要な知見と情報をご教示下さいました尾山先生と鈴木先生に、心より感謝申し上げます。


尾山大明先生(左)、鈴木貴先生(右)によるテクニカルレクチャー&特別講演が行われました


夕食会場の様子。井上先生と澤崎先生にご挨拶を頂きました

また今回、若手口頭発表および討論に対する賞を設けました。接戦ではありましたが、若手発表者の中から各2名ずつ選出され、領域長である武川先生より賞状と記念品が授与されました。

最優秀発表賞: 青木 佳南(九州大・池ノ内班)
優秀発表賞: 沖村 千夏(山口大・岩楯班)
最優秀討論賞: 渡部 昌(北海道大・渡部班)
優秀討論賞: 板野 景子(大阪大・鈴木班)

授賞式の様子。最優秀発表賞は青木佳南さん(左上)、最優秀討論賞は渡部昌先生(右上)となりました。優秀発表賞、優秀討論賞はそれぞれ沖村千夏さん(左下)、板野景子先生(右下)が受賞されました。

本ワークショップを通じて異分野研究への理解がより一層深まるとともに、各々の研究を発展させるための新たなアイデアや、共同研究の発足、人的ネットワークの形成など、当領域にとって予想以上の大きな成果が得られたと思います。今後、当領域が若手の力でさらに盛り上がり、研究分野の枠を超えて大きな成果へと繋がっていくことを期待しております。最後に、本ワークショップを支えて下さいました参加者および運営委員の皆様に、この場を借りて心より御礼申し上げます。また、日々激務のなか本ワークショップのためにご予定を確保して頂き、さらに開催において多数のご助言とご支援を頂いた計画班の先生方に、深く感謝申し上げます。

ワークショップ開催を記念して、会場での集合写真です。

第一回若手ワークショップ運営委員長
久保田 裕二


数理シグナル・第一回若手ワークショップ運営委員です。
左から、久保田・後藤・田口・高橋・Dhisa・湯通堂(敬称略)

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